2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

(60)第7章 自分のことが一番大切な デイジー、パリス・ヒルトン

リリー先生 「 ケアレス careless な デイジー。 自分のことが一番大切な おバカなデイジー。 彼女は、マートルが 道路に飛び出してきたとき、マートルを避けようと、 反対側の車線に向けて いったん、ハンドルを切りました、でも、 反対車線には 対向車が向…

(59)マートルを轢き逃げした車の話の暗示が今までたくさんありました

この小説が始まってから ずっと、この クライマックスの悲劇 自動車事故は、 繰り返し 手を変え品を変え、 予示され、 仄めかされて foreshadow されていました。 予示のもっとも大きいのが、 教室(30)第3章 のところで書きました ギャツビーの屋敷から出た…

(57)ウィルソン西を目指す、昔からアメリカ人が西を目指したように 

リリー先生「トム、ギャツビー、ニック、デイジー、ミス・ベイカー 一行は、 2台の自動車に分かれて マンハッタンに遊びに出かけますね。 途中、トム、ニック、ミス・ベイカーが乗った車は、 灰の谷の マートルの夫ウィルソンの店で ガソリンを補給していき…

(58)マートルの名 デイジーの名 花言葉

リリー先生「デイジー、というのは 可憐な白い花の名前だと 前にもお話ししましたね。 (教室・第4章(36) リリー先生の深読み、卵とデイジー) 実は、マートルも 花のつく植物の名前です。 でも、背の低い木です。 デイジーと比べると tough で coarse な植…

(56)さあ、クライマックスのグレート・ギャツビー第7章です 

リリー先生 「さあ、クライマックスの 第7章です。 ギャツビーがニックと共に、デイジーとトムの住む屋敷を訪れます。 第7章が始まってすぐ、 デイジーとトムの屋敷の中に入った ”ギャツビーが、 深紅色 crimson のカーペットの真ん中に立っている” という …

(55) アメリカ人とお金 ギャツビーの中表紙に書かれた詩のおはなし

リリー先生、 「グレート・ギャツビー」の表紙を開けたすぐの、 中表紙、を開けてみんなに見せながら 話し始めました。(原書では、絵表紙の次の次のページ。作者の名と 題名と 出版社 だけが書かれたページ。 村上春樹版では、絵表紙―目次―題名、とそれぞれ…

(54)「デイジーの声はお金がたっぷり」ってどんな声?

Her voice is full of money.トムとデイジーの イースト・エッグの屋敷を訪れた ギャツビーとニックが デイジーの声について 話すシーン。村上春樹版:p.218 後ろから4行目「彼女の声には何か無分別なものがあるね」と僕(ニック)は指摘した。 「あの声には…

(52)ニューヨークの恋の季節は 夏 夏だけです。

リリー先生「5年前、ギャツビーとデイジーが出会ったのは 秋 でした。 秋 は、 恋の季節ですか? ぜんぜん 違いますね。 秋は、これから 冬が始まる季節、冬、それは色の無い 無彩色の死の季節。 秋に出会ったということは、すでに、 この恋の 悲劇的な終末…

(51) ギャツビーは、汚れない。

リリー先生「ギャツビーは ここまで成り上がるために 汚いことをたくさんしてきました。 不正で成り立った 夢 です。 でも、それは、全部 デイジーのため to get her でした。 not for me ギャツビー自身のためにやってのではない。 ギャツビーは still pure…

(50)グレートギャツビー中、もっとも引用される文章はここ

リリー先生「この小説のなかで、最も引用される部分がここです。 原書: p.110 1行目〜4行目 ” You can't repeat the past." " Can't repeat the past?" he cried incredulously. " Why of course you can!" 村上春樹版:p.202 「過去を再現することなんてで…

(49) 「あなたを愛したことなんて一度だってなかった」と言って欲しかったのに

リリー先生「パーティーが終わって、トムとデイジーが帰ってゆき、 ギャツビーは しょげちゃって、ニックに ぶつぶつ 言ってましたね。 ギャツビーが このパーティーで 願っていたのは、これだけ、 トムに向かって、デイジーが「あなたを愛したことなんて一…

(48) トムとデイジー、ギャツビーのパーティーへ来る

リリー先生「第3章から始まったギャツビーのパーティーは、絢爛豪華なパーティーの描写でした、 そのギャツビーのパーティーは、デイジーの目を通して見て、どうだったでしょう? デイジーの目を通してみたパーティーは、痛ましいもの sad, pathetic でした…

ギャツビーと纏足 アメリカの高校の授業中だれも私語をしないわけ

前回、「グレート・ギャツビーに出てくる デイジーは 今で言うと どんな人でしょう?」という質問で、 アメリカの高校生が 「パリス・ヒルトン」 と答えていましたが、こんなふうに、アメリカの授業では、「今で言うと何に当たるでしょう?」というようなこ…

(53)デイジーはパリス・ヒルトンね、アメリカの高校生たちが話すグレートギャツビー

ギャツビーが愛した デイジー を、どんな女性に想像するでしょう?15歳のヴィンミンさんは、「デイジーは今の誰かというと、パリス・ヒルトン でしょ」 (Daisy's turned into empty person.) Like Paris Hilton.と、少し前のThe New York Times の記事で 答…

教室(47)第6章 アメリカ文学では 女は いつも トラブルの元

リリー先生「Ella Kaye という女性が出てきますね。 Cody の遺産をねらっていました。 アメリカ文学では、「女性」 はいつも トラブルの 元です 」

教室(46)第6章 ダン・コーディーは ギャツビーにとって金持ちのロールモデル

リリー先生「Dan Cody から ギャツビーは 金持ち how to be rich について学びました。 金持ちは どう振る舞うか、どんな言葉をしゃべるのか どんな服を着るか、どんなふうに暮らすのか ギャツビーは 貧しい 階層で生まれ育ったので、 Dan Cody との出会い無…

アメリカのハイスクール生の授業ノート「キャッチャー・イン・ザ・ライ」 の授業で

「キャッチャー・イン・ザ・ライ」The Catche in the Rye :J.D.Salinger のハイスクールの授業地元のハイスクール9年生(日本の中学3年生〜高校1年生に当たる)の女の子の授業のノートから。まず、上記の写真は、国語の先生が、見本として生徒に配ったコピ…

「キャッチャー・イン・ザ・ライ」を読んだのでハイスクールでの教え方を聞きました

今日は、「キャッチャー・イン・ザ・ライ」を読んで(もちろん日本語で村上春樹訳で)、 ミュージカル「ウィキッド」を観ました。「キャッチャー・イン・ザ・ライ」は、読み終わってから、 ニューヨークのハイスクールに通っている女の子に、「キャッチャー…

ブルーマン Blue Man を観てきました

ブルーマンは夜の8時から開演。 開演前に劇場の近所のウクライナ料理屋さんで軽く夕食を食べました。 ウクライナ料理には、水餃子そっくりなのや、ロールキャベツそっくりなのがあります。ブルーマンをやっている劇場は、299人までしか入れない小さな劇場。 …

*ブルーマンは夜の8時から開演。

開演前に劇場の近所のウクライナ料理屋さんで軽く夕食を食べました。 ウクライナ料理には、水餃子そっくりなのや、ロールキャベツそっくりなのがあります。ブルーマンをやっている劇場は、299人までしか入れない小さな劇場。 オフ・ブロードウェイはだいたい…

教室(45) 第6章 これが純正のアメリカンドリーム=ギャツビーはアメリカンドリームの権化

リリー先生「 He was a son of God and he must be about His Father's business. (大文字のFatherは神) (原書:p.98 18-22行目、 村上春樹版:p.181 4-8行目 彼は一人の神の子供・・父なるものの仕事に従事し・・ジェイ・ギャツビーなる人間を創造したので…

教室(44)第6章 ギャツビーは ドイツ系? ユダヤ人?かもしれません?

リリー先生ジェイ・ギャツビー Jay Gatsby の本当の名前は、 ジェームス・ギャッツ James Gatz でしたね。リリー先生 「 James Gatz この名前は、たぶん ドイツ系 、おそらくは、ユダヤ人ではないかと、思われますね。 ユダヤが 入っている感じを受けます。 …

教室(43)第5章ギャツビーとデイジーのデート「The Love Nest 愛の巣」の歌詞です

肝臓の体操という変なことをやっていたクリプスプリンガーが、 ピアノで弾いた「The Love Nest 愛の巣」という曲の詞です。 この曲は、1930年くらいから1960年くらいにかけて テレビショウのテーマソングになっていたそうです。今日のヴァレンタイン・デーに…

教室(42)第5章 ギャツビーのシャツ は何のシンボルでしょう?

リリー先生「 ギャツビーのシャツ、これは、なにを象徴しているでしょう? 物質主義 materialism ですね。 そして、成功 success でもあります。 成功 と 物質主義 を表す 圧倒的な量の シャツを 見て デイジーは 泣き出してしまいますね。 この小説の二人の…

教室(41) アメリカ人は シンボル探し が大好き

アメリカのハイスクールに通う女の子(日本人15歳)に、 わたし「英語の教室で、グレートギャツビーの本を読んでいるんだけど、”シンボル・象徴探し”が多い 」と言うと、 そのハイスクール生は、 「そう、ハイスクールの授業でもおんなじ。もう、シンボルだ…

教室(40)第5章 ギャツビーとデイジーの再会 と 古い時計の秘密

オタオタしたギャツビーが可愛らしい、デイジーとの再会の第5章です。リリー先生 「 ギャツビーとデイジーは、ニックの家で 再会しましたね。 ニックの家のリビングルームで、暖炉の飾り棚に置いてあった” 時計 ” を、覚えていますか? ギャツビーは、暖炉の…

教室(39) 第4章 1919年ワールドシリーズ八百長事件の犯人はウルフシャイム?

リリー先生「Mr. Wolfsheim ウルフシャイム 、なにか、怪しい素性の人間のようですね。 ギャツビーが、彼は ギャンブラーで、 1919年の野球ワールドシリーズの八百長を仕組んだやつだ、と言いましたね。1919年、本当にあった八百長事件のことですね。シカゴ…

教室(38)第4章 1920年代のアメリカの金儲け

リリー先生「 1920年頃、 アメリカ文学の作家たちは、 ”アメリカを批判する” ということが 時流でした。 ”アメリカは、お金儲けに固執しすぎて 道を誤っているようだ” ということが 大きなテーマになっていました 」

アメリカのこと(11)オバマ大統領初の記者会見で日本を例にあげて景気対策を語る

さきほど、オバマ大統領の大統領就任後、「初めての記者会見」がありました。 そのスピーチを、ぼーっと、聴いていると、急に日本のことが例にされて出てきたので、 ちょっと、姿勢を正しててしまいました。今現在、オバマ大統領は、「経済景気対策法案」を…

教室(37)アメリカの学校の国語の授業もリリー先生のように深読み授業です

前回の 花デイジー と egg 卵 の深読み、白に包まれた 黄色 純粋な見かけの 堕落 、リリー先生の深読みは、 わたしにとっては、「ほんま?」 と、そんな読み方に慣れていないので 最初、少々違和感がありましたが、(ほんまにフィッツジェラルドはそんなこと…