教室(39) 第4章 1919年ワールドシリーズ八百長事件の犯人はウルフシャイム?

リリー先生

「Mr. Wolfsheim ウルフシャイム 、なにか、怪しい素性の人間のようですね。
 ギャツビーが、彼は ギャンブラーで、
1919年の野球ワールドシリーズ八百長を仕組んだやつだ、と言いましたね。

1919年、本当にあった八百長事件のことですね。

シカゴの球団 「ホワイト・ソックス」 の 当時の オーナーが、
チームのメンバーに、
ワールドシリーズに出場出来たら、ボーナスを出す」 と 言ったのです。
そうすると、本当に、チームは その年のワールド・シリーズの出場権を
勝ち取ったんです。
でも、オーナーは ボーナスを出さなかったの。
そのことを知った あるギャングが、チームのメンバーに
「もし、ワールドシリーズで試合に負けてくれたら、一人、約200万円 あげる」
と言いました。
そして、チームは、ワールドシリーズで負けたのです。
しかし、八百長は発覚し、
「ホワイト・ソックス」のメンバーのうち 8人 が、処分を受け、
終生、試合に出ることができませんでした。
それが、映画「フィールド・オブ・ドリームス」 に出てくる 「8 me out」
のことですね。
そして、その八百長を仕組んだギャングの名前が
Arnold Ruthstein という名前で ユダヤ人でした。
ウルフシャイムのモデルですね 。

つまり、1920年ころ お金による堕落がスポーツ界にも及んでいたということです。
ジョーダン・ベイカーもゴルフでズルしてますね  」

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原書: p.69 真ん中あたり〜p.73
村上春樹版:p.130 5行目から p.137