2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

教室(19)第1章 ちりばめられた結末の予示 フィッツジェラルドのforeshadowing

リリー先生「フィッツジェラルドは、小説のいたるところに 結末を暗示する文章 を ちりばめながら結末へ向かって書き進んでいます。 Fitzgerald uses the technique of foreshadowing to hint at what will happen later in the story. 」そう先生が言うので…

教室(18)第1章 村上春樹さんはデイジーの言葉の訳楽しかったんじゃないでしょうか

リリー先生 「デイジーは 典型的な サウス女性タイプ。 スカーレット・オハラ タイプね。映画の方の。 小説のスカーレット・オハラは、ぜんぜん美人っていう設定じゃないのよ。 しかも、もともとは、作者のマーガレット・ミッチェルは、 スカーレットってい…

教室(21)第2章 灰のまち はどこでしょう?

今日から、第2章です。冒頭の「 the valley of ashes 」はどこでしょう?リリー先生 「 ニックの住む 郊外の高級住宅地 ウエスト・エッグ から、 電車でマンハッタンに向かうと、中ほどに見えてくる地区ですね。 「ウエスト・エッグ」は、実際にある地区 「…

教室(20) 第1章は、カエルの合唱でおしまい。次回からは第2章です

リリー先生 「そして、最後に、また フィッツジェラルドの お得意のやりかた indirect な表現で終わりますね。 unquiet ですからね。 わざわざ quiet に un ですからねえ。 「静か / じゃない」 わけですね。 少し前のところにあるように、この夜は、 風が吹…

教室(19)第1章 ギャツビー と 緑のライト

第1章の最後の文章、ニックの視界に ふいに現れたギャツビーの様子が描かれていて とても美しいですが、そこに出てくる「対岸の緑の灯」、 これは、アメリカで、「ギャツビー」といえばこの「緑の灯」と、セットになって引用されるくらい有名です。リリー先…

教室(17) 第1章 女性の権利、自動車の普及、避妊法の普及 の組み合わせ

リリー先生 「 さて、大衆自動車の普及も始まった この1920年代、 1920年には、アメリカで女性の参政権が認められました。 このころに、避妊法が始まり普及を始めた時代でもあります。 この組み合わせで 何が 始まったと思う? 1950年、60年に、Free Sexの時…

教室(16) 第1章 ミス・ベーカーの名前は車の名前 車はこの話のキーワード

リリー先生 「 ミス・ベーカー の名前は、Jordan Baker。 Jordan は当時の車の名前。 Bakerも、当時の車の名前です。 この時代は 自動車の時代が始まったところ。 自動車は この小説の キーワードですね。 ところで、ミス・ベーカーは プロのゴルファーです…

教室(16)第1章 でも村上春樹さん、Frosted は、アイシングですってば!

デイジーのいる部屋の天井は、よくあるヨーロッパのお城ふうの天井。 天上のふち飾りで、だいたい白く塗られているので、ちょうど、 白いウエディングケーキみたいに見えます。 でも、村上さん、the frosted wedding-cake は、 「砂糖をまぶしたウエディング…

教室(15)第1章 村上春樹さんはこういう場面好きなんだろうなーというデイジーの場面

デイジーの登場 ニックが、ブキャナン夫妻の家を訪れて、 デイジーのいる部屋に入っていきます。 部屋に勢いよく入ってくる風にはためく 長いカーテン、 生地が上等だろうから 旗やヨットの帆みたいに バッサ バッサ、音を立てるんでしょうね。 デイジーとミ…

教室(15) 第1章 ブッシュもメンバーだった イェール大学 の シニア・ソサエティ 

リリー先生 「ニックとトムが入っていた イェール大学の シークレット・クラブは、 本当に現存するクラブで、もちろん、ブッシュも メンバーでした」 - 村上春樹版 p.20 後ろから5行目 原書 p.7 中ほど

教室(14) アメリカはお金の国 グレートギャツビーはお金のお話

リリー先生 「グレート・ギャツビー」は、「お金のお話」、 「ひと夏のお金のお話」です」「アメリカは お金 money の国。 この国は、ピューリタンが来た時から 「お金をたくさん持っていること」「裕福であること」は 良きこと、”神から選ばれている印 Sign…

教室・アメリカのこと(7) リリー先生のミッシェル・オバマのドレスについてのコメント

リリー先生、 ミッシェルのドレスについても少しコメントしてました。「黄色は彼女にとてもよく似合っていたわ。 ところで、就任式に着るドレスとしては、今までのファーストレディーは、 よく、赤色 や 青色 を着ていました。 だから 黄色というのは、ちょ…

教室・アメリカのこと(6)リリー先生のオバマ大統領就任演説の感想

リリー先生は、ばりばりの 民主党支持者。 ブッシュ大統領が再選された時には、1週間、 喪服を着て過ごしたそうです。リリー先生、オバマ新大統領就任演説をこんなふうに言ってました。「オバマ大統領のスピーチは、Good でしたけど、 Great ではなかったわ…

教室(13) 第1章 ウエスト・エッグ イースト・エッグ 住んでいる人の違い

リリー先生 「同じ高級住宅地でも、 ウエスト・エッグ に住む金持ちと、 イースト・エッグ に住む金持ちは ちょっと種類が違いますね」イースト・エッグの方は、数世代前から金持ちだった、Old moneyの人々。 それに対して、 ウエスト・エッグの方は、自分の…

アメリカのこと(5)つづき 就任宣誓でとちっていたのは、最高裁長官のほうでした

就任式に出る前の控室で、 就任の宣誓の練習をしているオバマ氏。 ところで、本番の就任の宣言のとき、オバマ大統領は、スムーズに 言えずに、詰まっていましたが、あれは、宣言を先導した最高裁長官が 言い間違えたので、オバマ氏はいったん宣言を途中で止…

アメリカのこと(5) 仲良しオバマ大統領ファミリーの就任式舞台裏写真

今日は、マンハッタンのハーレムの教会に、ゴスペルを習いに行く日でした。 ハーレムでバスに乗ると、前の座席のおばさんが、 タブロイド新聞「New York Post」と広げていました。 ちょうどそのページに、大統領就任式とその後のパーティーの舞台裏写真が出…

教室(12) 第1章 ウエスト・エッグ イースト・エッグ は、どこでしょう?

ニックは、証券マン として、マンハッタンの事務所で働き始めました。 1920年当時のマンハッタンには、すでに66階建の摩天楼が建ち、地下鉄も動き出していました。 ニックが 家を借りたのは、「ウエスト・エッグ」 というマンハッタンの郊外の住宅地。…

アメリカのこと(5)続き 仲良しオバマ大統領ファミリーの就任式舞台裏写真

就任式後の催しも全部終わって、新しい自宅 ホワイトハウスに戻って来て オバマ・スマイルでネクタイをゆるめるところ。 就任式後のパーティーに出かける前に、娘のマリアに写真を撮ってもらうオバマ氏。 嬉しそうな顔。 娘たち二人は、就任式に来ていたお出…

教室(11) 第1章 ニックの祖父の兄の徴兵逃れ と ロックフェラーの徴兵逃れ

村上春樹版 ニックの祖父の兄は、南北戦争のとき 徴兵を逃れた。リリー先生 「お金で徴兵を逃れた、というのは、実際にあったことでした。 あのロックフェラーも、このニックの祖父の兄のように お金で身代わりを立てて 徴兵を逃れたのよ。 徴兵逃れをしたロ…

教室(10) 第1章 ニックの実家はどこでしょう

ニックは アメリカ中西部 Middle Western city 出身、 と、書いてあります。リリー先生 「 たぶん、シカゴ、か、たぶん、ミネアポリス。」と言ってました。 - 原書 p.3 2行目 村上春樹版 p.12 7行目 - シカゴ (イリノイ州) http://ja.wikipedia.org/wiki/%…

教室(9) 第1章の有名な冒頭部分はこのへんにして、完読後、もどってきましょう

リリー先生 「 この小説は、”ギャツビーをめぐるひと夏の出来事” のお話。 この冒頭部分は、その”出来事”が終わってしまった後に、 ニックが、その出来事に関して語っているわけです。 読者は、まだ、「ギャツビーをめぐるひと夏の出来事」を読み終わってい…

アメリカのこと(4) オバマ大統領が好きな本とグレート・ギャツビーとアメリカ

オバマ大統領が好きな本、影響を受けた本についての記事がありました。オバマの好きな本のリストに、「グレート・ギャツビー」は入ってはいませんが、記事の中に、こんなようなくだりがあって「グレート・ギャツビー」がでてきます。ーーアメリカ人の子供と…

教室(8)第1章 ・ フィッツジェラルドが最初 ”ニック” ザ・ナレーター

「 フィッツジェラルドがこの小説を書いた1920年代初頭、” ニック ” が、目新しいもの novelty だった。=つづく=」というようなことを 前回(教室7)で書いてから、オバマ大統領の就任式が挟まってしまったので、ちょっとそこで”授業”が止まってしまっ…

アメリカのこと(3) ミッシェル・オバマ夫人は美人か?不細工か?

Wow, look at her and her brown skin!オバマ大統領が選挙活動中、 わたしは、友人の黒人の女性に、 「ミッシェル・オバマって、奇麗な人ね」 と言ったことがあります。 ミッシェルさんは、手足が細長くて、背もすらりと高く、 顔だって、顎が一般にはあまり…

アメリカのこと(2)オバマ大統領の犬の面接・オバマの後ろ姿

明日はいよいよ オバマ大統領の 就任式。 オバマ氏が 大統領選挙 に勝ってから、 雑誌、新聞、ありとあらゆる印刷媒体の表紙に オバマ氏の 写真やイラストだらけでした。そんななかで、1番好きだったのは これ! 「ホワイトハウスに引っ越したら犬を飼って…

教室(7)ギャツビーの時代はアメリカの10-year-party時代

小説グレート・ギャツビーは、1922年のひと夏の物語。1922年というと、第一次世界大戦が終わった 数年後のこと。小説の中の 「ニック」も、第一次世界大戦の戦場へ従軍していて、 帰国して数年後 という設定です。リリー先生 「その頃のアメリカは ”10−Year−…

アメリカのこと(1)オバマとリンカーン大統領とアメリカ大統領就任演説とギャツビー

ところで、1月20日(火)は、オバマ新大統領の就任式。テレビも新聞もなにもかもニューヨークじゅうその話題でもちきり状態。 オバマは、リンカーン大統領にちなんだことをたくさんやっていますし、 よく比べられて(つまり期待されている)います。リン…

教室(4)第1章 ・ 名文 ・ フィッツジェラルドの文章

リリー先生、ギャツビーの名前を 深読みしたあと、机の上の自分のペーパーバックの表紙をめくり、大切そうに、第1章を ひろげました。「この第1章の 冒頭の文章 と、最終章の 最後の文章 は、アメリカ近代文学の ” 名 文 ” と 賞賛されている文章なのよ」…

教室(3)"Gaspiller"をフランス人に発音してもらった

一日目のクラスに出てきた ”Gaspiller”。 (フランス語で”無駄にする”の意味)。念のため、クラスメートのフランス人に、「”Gaspiller” を、 発音してみて 」 と、頼んで 発音してみてもらいました。最後の、「--iller 」 の部分は、軽く…

教室(2)第1日目のクラス。ギャツビーの名前の深読み

「ギャツビーの名前なんだけど」と、リリー先生は黒板にチョークで”Gut” ”Gaspiller” と 書きながら クラスを始めました。 「”Gut”は 当時のスラングで Gun 銃のこと。 それと、フィッツジェラルドは この小説を書いている頃 パリに住んで…