教室:第9章

最後の教室(86) 「グレートギャツビー」を読んだ感想

リリー先生のリーディング・クラスの生徒は 外国人、特にヨーロッパから来た女性が多いのですが、ほとんどの生徒が 「名作と言われているわりに、”グレート・ギャツビー”はストーリーが単純すぎる」 と思っているみたいでした。「ギャツビーのどこがいいのか…

(85)フィッツジェラルドの墓石に刻まれているグレート・ギャツビー最後の文章

グレート・ギャツビーの 最後の名文 部分、 なんとも美しい 文章です。 最も最終の、 So からの 一文は、作者F.Scott Fitzgerald の 墓石に 彫られています。 Gatsby believed in the green light, the orgastic future that year by year recedes before us…

(84)そして、最後の名文 新大陸アメリカ

そして、第1章の冒頭部分と おなじく、名文と 讃えられている 最終章の 終わりの文章です。原書:p.180 5行目あたりから 村上春樹版:p.324中ほどからニックは、自分の故郷、中西部へ帰る前の夜、 ギャツビー邸 を歩いてみました。 ギャツビー邸から 海峡を…

(83)さて難解に見えた第1章の冒頭の文章に戻ってみましょう

――続き――" 果たされることなく終わった哀しみや、人の短命な至福に対して、 僕が一時的にせよこうして心を閉ざすことになったのは、 ギャツビーをいいようにして食い物にしていた連中のせいであり、 彼の夢の航跡を汚すように浮かんでいた、醜い塵芥のせいな…

(81)さて難解に見えた第1章の冒頭の文章に戻ってみましょう

――続き――”昨年の秋に東部からここに戻ってきたときの僕は、いっそのこと世界が軍服を身にまとい、 いつでも道徳的に気をつけの姿勢をとっていればいいのにという心情にさえなっていた。リリー先生 「“ギャツビーのひと夏”が終わったあと、東部つまりニューヨ…

(82)さて難解に見えた第1章の冒頭の文章に戻ってみましょう

つづき-- ”実のところギャツビーは、僕が「こんなものは絶対に我慢ならない」と考えるすべてを、 そのまま具現したような存在だった。リリー先生「もともと、ニックにとって ギャツビーは、ニックのとなりに住む 際限のなさそうなおカネで、 豪華な見かけ に…

(80)さて難解に見えた第1章の冒頭の文章に戻ってみましょう

――前回から続き―――村上春樹版:p.10 後ろから 2行目から〜 原書:p.2 8行目から”とまあ、自分の忍耐心についてこのように偉そうに講釈をたれたあとで、 それでもやはり限度があることを、進んで認めなくてはならない。 人の営為は堅固な岩塊の上に築かれて…

(79)さて難解に見えた第1章の冒頭の文章に戻ってみましょう。

さて、ギャツビーの葬儀が終わり、 ナレーター・ニックのニューヨークでの「ひと夏の物語」が終わりました。 ここから先は、第1章の冒頭部分の ニックのナレーションと だいたい同じ時間に 戻ります。 (原書:p.175 中ほどから 村上春樹版:p.315 "今でも…

(76) フクロウ眼鏡の男は フクロウ=Wise でした

リリー先生「 ギャツビーの葬儀に参加した フクロウ眼鏡の男。 フクロウ というのは、何を表しますか? そうですね、” wise ”。 ”フクロウ眼鏡の男” は、この小説において 賢者、物知り でありました」 - 村上春樹版: p.314-p.315 原書: p.174-p.175

(78)ブッシュ元大統領とローラ夫人は トムとデイジーみたいだと言われてました

リリー先生「原書:p.179 They were careless people, Tom and Daisy---- they smashed up things and creatures and the retreated back into their money or their vast carelessness, or whatever it was that kept them together,and let other people c…

(75)ギャツビーとフクロウ眼鏡男の謎

前回から続く----- ニックのほかに、もうひとり ギャツビーに真実があると気づいていたのは フクロウ眼鏡男だけでした。 だから、ギャツビーのお葬式は、肉親のギャツビーの父親以外では、 ギャツビーの真実を知る ニックと、 ギャツビーに何かしら真実を認…

(74) ギャツビーとフクロウ眼鏡男の謎

前回から続く----- もともと、フクロウ眼鏡男は、ギャツビー邸の図書室にある蔵書は、全部、「張りぼて」だと思っていました。 本物の本に見せかけて「厚紙で作った張りぼてで、中身のページなど無く 図書室を飾ってある」だけだと思っていました。 それは、…

(73)最終章 ギャツビーとフクロウ眼鏡男の謎 

ニックが、最後にギャツビーに向って、 「誰も彼も、かすみたいなやつらだ、みんな合わせても、君一人の値打もないね」 と言ったように、 ニックは、ギャツビーが、大金持ちという外から見えているだけの人間ではなくて、 なにか 心に真実のある人間であった…

(71)子ども時代のギャツビーの 犬の耳になった本

グレート・ギャツビー 最後の章です。リリー先生「ニックがいろいろ探しますけど、ギャツビーの葬儀に来てくれそうな人は なんと、誰もいません。 そうこうするうちに、ギャツビーのお父さんが 新聞で知って、 ミネソタの小さな田舎から 息子の葬儀のために …

(72) 少年ギャツビーの生き方ブック、ホレイショ・アルジャー

リリー先生「ギャツビーが少年時代に持っていた 本の裏表紙に、 ギャツビーが自分に課した 「日々の鍛練」のスケジュールが書いてありましたね。少年だったギャツビーは、自分の生まれた貧しいクラスから、 節約し、ハードワークすることによって、抜け出そ…